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PROJECT

MicroHeritage Collection in Osaka

今回、窓研究所の助成を受けて、より多くのMicroHeritageをVRで保存、その後の活用検討に結び付けていくためのVRコレクションサイトを作成することとなりました。さまざまなVR映像が作られていますが、同一テーマでまとまったコレクションサイトはあまり見受けられません。

今回は、「鯛よし百番」に加え、おなじく飛田新地にある廃屋となった妓楼建築である「満すみ」、大阪阿倍野にある洋館付の「レンタルスペース阿倍野長屋」、村野藤吾の初期・晩年の設計が同居している「南大阪教会」、生野区にある「源ケ橋温泉」等をMatterportによるVR撮影をおこない、データベースとして公開しました。

このプロジェクトは、2013年から毎年行われている「生きた建築フェスティバル」の関連イベントとしても位置付けられています。


鯛よし百番(飛田百番)
VRプロジェクト

大阪・飛田新地。
大正時代に建てられた遊郭と街並みが今も残る、国内でも有数のエリアです。その街並みが今、建物の老朽化により失われつつあります。

なんとかして、残すことができないかという相談を受けている中、物理的な保存の目途が立たたなくてもデジタル上に詳細な形状、イメージを保存できるMatterportというVR技術に出会いました。そして、2021年の春に鯛よし百番のVR撮影を行いました。

VR撮影を機に始まった修復のためのクラウドファンディングでは、812名の方から1,884万円のご寄附をいただくことができ、大阪市の修景補助事業とあわせることで、老朽化した襖絵、顔見世の間、看板、欄干、欄間等の塗りなおしなど目に見える部分、また脆くなった基礎部分の修復などに結び付けることが出来ました。

MicroHeritageが生まれるきっかけとなったプロジェクトでもあります。

ABOUT US

私たちは、近現代史に登場するような遺構とは異なり、人々の日常の中にあった建物は遺されることなく解体され、歴史の藻屑として消えていきます。そんな現代に生きる我々が忘れかけている生活に根ざした建物や文化を“小さな文化遺産(=MicroHeritage)”と捉え、次世代に継承していくための事業をスタートさせました。

 小さな文化遺産は都市開発など街がアップグレードされるにつれて、消えていく運命にあります。防災対策などのために街を更新していくことはもちろん不可欠ですが、生活に根ざした建物をただ壊すのではなく、大切なものとして次世代に継承していくことも、社会価値の創出という面では同じぐらい重要なことです。

 建物だけでなく、日本の地方には祭りや風習など、それぞれの地域で育まれてきた豊かな無形文化もあります。これらも人口減少、新たな法制度(過剰な規制)の影響を受けて、徐々に失われ始めています。こういった生活に根ざした文化を何らかの形で継承していく仕組みづくりも、本プロジェクトの主眼の一つです。

 当法人は地域住民や不動産所有者、関係する企業などと連携し、MicroHeritageの発掘と継承に努めていきたいと考えていますので、ご支援、ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。